ことばの実験室 更新2019/7/15

心を開くって…?

昨日の続きで「チャボとけやきと泰山木」。
具体的には、こんな詩が掲載されています。

「いえで」 (小2女子)
いえでは 四回ぐらいしたことが
あります
でも すぐうちの人がきます
おてがみをかいていきます
とっても こわかった

「インフルエンザ」(小1女子)
きょう ちゅうしゃがありました。
みんな「ちゅうしゃいたくなかったね」
といいました。
わたしはつられて「うん」と
いってしまいました。
でも ほんとうは いたかったです

「ピアニカ」(小1男子)
ピアニカはいいな
いい音がでるから
ぼくも こういうこえがでたらいいな
でも ピアニカでふけば
いい音がでる
だから しあわせです

「ぼくのいもうと」
ようちゃんのほっぺは
ふっくらばん
ふかふか とってもあったかい
ようちゃんの手は あまーい
あまーい
おかしの手
いつもチューチューしゃぶってる
ぼくもなめてみたら
クッキーのあじがした。

怖くて嫌なことも、うれしいことも、
どれも、おもしろい。

想像してほしいのは、
これを書いたのが、子どもではなく、
大人が書いたらとしたら…
ということ。

さあ詩を書きましょう。
と言われて、みんなで机を並べて
「詩、かあ」と思って、
さらさらと上のような詩を書く
大人を、ぼくは想像ができない。

でも、
その大人も、夜家に帰って、
晩飯たべて、風呂でさっぱりし
ちょっとお酒も入って、
タオルを髪に乗せたまま
ソファで横になり、ひとりの時間を
愉しむ時間に、

誰にも見られない秘密のノートを
そっととり出して、
昔の思い出か、なにかいい気持ちを
反芻して、にやにやしながら、
ノートに上のような詩を記す。

これなら、
想像がつく。

要するに、大人が人前で心を開く
ことが、いかに難しいか、
ということです。

心を開くってなんだ、
っていうと、

いつでも明るいというわけではなくて、
悲しい時や、暗い時には
悲しいし、暗いんだっていえること。
だと思う。

よく、人付き合いのコツの本で、
人に気持ちは伝染するものだから、
人と会うときはいつでも笑顔で、
明るくいるということが大事。

明るくしていることが、
いいことを引き寄せるみたいな。

そういうことに、
憧れがある一方で、
違和感も感じてしまう。

なんでだろうと思っていたんだけど、
子供たちの詩の本を読んでいて、
あ、そういうことか、と気が付いた。

日々過ごしていれば
いい気分の日もあれば、
暗雲のような気分もあるのに、

「いつでも笑顔」っていうのは
気持ちに栓をして、
笑顔モードに切り替える、
つまり、場合によっては
本音で向き合ってくれていない、
ということなんじゃないかな…、
みたいな。

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