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今回の実験「あたらしいロゴをかおもじサインにしてみました」

場所がもつことばの文法

普段は全然意識しないけど、
ときどき、
文字の空間的作用に興味がわく。
 
空間的作用というと、
わけが分からないけど、
「看板どこに置くか問題」
といえば、
少しわかりやすいか。。
 
「立入禁止」
「故障中」
「おしずかに」
「←渋谷・新宿方面」
という看板があったとする。
 
それが突然、空から
降ってきたら…?
 
地面に落ちたのを手にとっても、
その看板は効力をもたない。
 
どこに?なにが?どこが?
という疑問だけがのこる。
 
断片だけ、指示されても
目的語がないから、
どうしたらいいか、分からない。
 
では、もし、
工事中の建物の前に
「立入禁止」と貼ってあったら、
 
駅の券売機に
「故障中」と貼ってあったら、
 
エレベーターの中に
「おしずかに」と貼ってあったら、
 
駅のホームに
「←渋谷・新宿方面」を
見かけたら、
文字は初めて
実用的な意味を備える。
 

 
つまり、看板を貼る場所が、
文章で言うところの
「~を」
「~に」
「~が」
にあたる部分を担っている
ということ。
 
言葉としては書かれていないけど、
意味として、どこに
置かれているか、
が意味の成立には、
なくてはならない。
 

 
そんなの当たり前だよ。
と思う人もいるだろうけど、
個人的には、もっと突っ込んで、
別の表現の可能性として
探ってみたいと思ったりもする。
 
自分なりに、空間的な作用の
力の種類を考えてみた。
 
その1【範囲】
どこに貼ってあるかで、
その効力範囲が決まる。
 
「マナーモードに…」
というのが、
狭いエレベーターにあれば、
室内全体だし、
電車の優先席のところなら、
その付近。
(付近っていうのも曖昧だな)
映画館の劇場扉の前のなら、
広くても
劇場内全体に効力を
及ばせようというつもり。
 
その2【時間】
 
タイムサービスや、
ランチ限定セットなど、
それが、「いつ」出ているか、
ということが
意味に関わってくる。
もしかしたら、
文字じゃないけど、
信号もそうかも。
 
その3【向き】
 
道路標識や、案内地図はそう。
こちらから見る、右と左は、
向こうからは反対になる。
だから、どの向きを向いているかが、
とても大事。
 
その4【見える】
 
基本的に、看板は
見えている場所にいる人に
向けて伝えようとしている。
 
階段を上ろうという人には、
階段のへり側面にサインがある。
左側に「↑のぼり」、
右側に「↓くだり」と見える。
 
その階段を
下ろうとしている人には、
見えないから、
へり側面に「↓くだり」と書いても
意味がないように思えるが、
上る人にも、下りの人に気を遣え
ということで書いてあるんだろう。
 
超当たり前だけど、
看板は、見えている人のために
書いてある。
見えてない場所にいる人には
見ても仕方がないのが本来的。
 
その5
【空間の平面化】
壁に貼ってある看板で、
「この先」を示したいとき、
なぜか「↑」を使う。
 
垂直に上に↑を向けているなら、
上を見上げるのが筋だという
気もしないではないが、
壁に貼ってある「↑」は、
大抵「この先」の意味になる。
 

という具合に考察してみたけど、
だからなんだ、という気がしてきた。
 
いや、詩や、小説なんかが、
こういう場所の文法を取り入れたら、
面白いのになと思うんだよな。

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