docchigagigugego.jpg
Clickで詳細ページへ。

不思議な彩り

不思議なものにひかれます。
 
たとえば、
ブローティガンの「西瓜糖の日々」。
西瓜糖で作られた世界の物語。
西瓜糖ってなんだか分かんないけど、
さらさらしていて、透き通って、
光に当てるときれいなものなんだろうな。
 
この小説では、ほとんどのモノが
この西瓜糖を素材にして形作られている。
 
水中に立つ彫像。算数を手伝う虎。
曜日ごとに変わる西瓜糖の色彩。
松林に伸びる幅5フィートの送水管。
川の中で光る墓。ランタンをもつ少女。
 
まるで夜の散歩をしているような悦楽に
浸ることができます。
もっとここに居たいと思うような。
 
冷めたコーヒー097
 
もう1冊たとえると、
ボリス・ヴィアンの「うたかたの日々」。
演奏をしてカクテルを作るカクテルピアノ。
音を奏でる陽光。水道管に住みつくウナギ。
鳩の頭をした男。逃げ去ってしまう靴底。
受付係にウインクする会員証。
黄色いハンカチから黄色だけが風に
なびいていってしまうという表現も、
あざやかで不思議。
 

 
自分たちが実際に見ている現実の
世界ではなかなか結びつかない出来事や、
ありえない現象が、
言葉の上でならまざまざと存在する。
 
言葉があったからそういう不思議で
あざやかな世界を想像できるし、
まるで本当にそこにあったかのように
感じることもできる。
 
「うたかたの日々」のまえがきにも
こんな風に書いてあります。
 
「〜中略〜(この物語の)強みはもっぱら、
全部が本当にあった話だという点にある。
なにしろそれは何から何まで、
ぼくが想像した物語なのだ。」
 
想像することができたなら、
それは全部、本当にあったことと
同じなんだという。
 
それはとても素敵なことだなあ、と
思います。
本を読むのが楽しいし、慰みになるのは、
そういうことが理由なんだろうな、
とぼくは思います。

« »

サイト管理