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ほこりの魅力?

学生の頃、サークルの部室に
入り浸っている時期があった。
 
散在していたモノを一掃して、
誰が持ってきたか、
ホットカーペットやこたつが設置され
冬の季節にはありがたい場所となった。
 
しかし、二週間もすると、
なんだか部屋が鬱屈とした雰囲気を
かもしだすようになった。
 
本も作品もその他の雑多なものも
しっかり整理されているはずなのに
なぜだか室内が淀んでいる。
 
畳をぽんと叩くとしろい靄がたった。
これはホコリだ。
 
さっそくほうきでバリバリ掃くと
砂やら綿ボコリやら、山のように
集まった。
 
そして鬱蒼としたムードも消えていた。
 
すごいなあ人間の目って、
ホコリまで感じとれるんだ
という経験であった。
 

 
とにかく、ほこりというものが
好きではない。
 
ほこりが全くない場所という
ところに憧れる。
アルプスの大草原に布団を敷いて、
すーうっと深呼吸してみたい。
 
こういう考えが現代的な文明を
発展させる基盤となっているのだろうか…
 

 
エリナー・ファージョンという作家が
「本の小部屋」というシリーズを書いており
岩波少年文庫から「ムギと王さま」などの
タイトルで出ている。
 
この作者は少年時代に自宅にあった
「本の小部屋」にこもって、
よく本を読んでいたのだという。
「まるで宝くじか、
たのしい掘りだし物の世界」で、
「わたしに魔法の窓をあけさせてくれたのは
この部屋です。」という。
 
さらにこの部屋の魅力だったのが
「ほこり」。
 
鼻にほこりがつまり、
目が痛くなり
きゅうくつな姿勢や
むっとした空気でのどを痛めながらも
本に夢中になる。
 
ほこりがあったからこそ、
あの部屋が特別であったし
空想をふくらませてくれた。
 
そして、こんな詩を引用している。
 
このしずかなちりこそは、
紳士に淑女、
若衆にむすめ、
その笑い、ちから、ため息、
おとめらの服、まき毛。
 

 
そういう気分はとても分かるけれど
自分の部屋を同じようにしたいか
というと嫌だなあ。
 
本で埋め尽くすのはいいとして、
やっぱりホコリは払いたくなる。
 
ここに時代の変化がありそうだ。
 

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