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ことばの実験室 更新2019/4/23

これは…科学!?

4,5年前から「ことばサーカス」を
こつこつ作り続けているのですが、
そもそもの面白さはなんなのか
というのを
時間が経ちすぎて忘れてしまう。

買う人にとって、
どういう本か、明かしておかないと
作る方もよくわからなくなる。

すごく、分かりにくい言い方に
なってしまうけれど…
そもそもは、
脳内での言葉を処理の仕方が面白い。
というところに構想の根っこがある。

最初に「みる」
という文字をみると
「目で見ている様子」が思い浮かぶ。

そこに「く」を加えると
「みるく」になる。
たった一文字しか、加わってないのに
さっきまであった「目で見ている」
というイメージは完全に消え去り、
牛乳の白い感じとか、
あまーいイメージに変わる。

なんという当たり前な!
だけど、このイメージの切り替わりを
瞬時に行っている脳って…一体。
と思うのです。

でも、これって冷静にたとえるなら
水しか入ってない鍋に、
コンソメを入れて煮込んだら
練乳かき氷になっていた!
くらいのびっくりさがある…。

化学変化みたいなことが
文字の組み合わせでも起こっている。

でも、起こっているはずなのに
普段なかなか気が付かない。

というのは、言葉は基本的に
本でも、ディスプレイでも
フォントとして既に組まれて
崩せないものが
ほとんどだから。

ことばの実験みたいに、
いろんな文字をモノとして
組み合わせたり
入れ替えたりしてする機会が
あまりない。

どんな意味に変わったか、とか、
一文字足すだけで、
へんなのになった!とか、
ある種いたずら的な
面白さもあったりして、実はそれって
楽しいんだけどなと思う。

動物園の「くま」の看板に
「あ」とマジックで書き加えて
「みて、あくま になった」
みたいな、いたずらとか。

ただ、これって
言葉を変えたからと言って
ほんとうに目の前のモノが変化する
わけではない。そこが難点で
想像力と能動的な気持ちが
たくましくないと
いたずら、及び遊びに参加しずらい。

そこで、イメージが具体的になったら、
その面白さは多分伝わりやすくなるだろう。
と思って、「ことばサーカス」の
世界観がある。

文字がふうせんになっていて、
「もじふうせん」をつなげて
意味のある言葉にすると
ほんとうにそのものが現れる。
というサーカス。

文字と脳内で起こっている現象を
具現化して、できるだけリアルな
世界にもってきちゃう。

ぼくはぼく自身で、
その仕組みを分かりやすく
認識するために
「テキストベースの世界観」
と呼んでいる。

まだ誰にも浸透していないけど。
これで構想しているのは、
「ことばサーカス」の他にも
進行している本がもう一つある。
それくらい、けっこう使える考えです。

文字がかわるだけで、
全くイメージが変わるって…なぜ?
という疑問がある。

それを解明しよう、とまでは
ならないけど、
絵本を通して注目してもらえたら、
「ぼくたちの頭のなかでは
ことばへの視線はこうなんだよ」
という導きにはなるのかもしれない。

…と、遠い目をする気分だけど、
思っています。

「ことばサーカス」は
ことば遊びの本です、と軽々しく
言いたくない。
一方で物語としても作り込んでいる
つもりなので、物語絵本といっても
過言ではないけど、
ちょっとちがう。

いっそのこと、もはや科学の絵本
と名乗ってもいいのでは。
それくらいの気持ちです。

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