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今回の実験「あたらしいロゴをかおもじサインにしてみました」

きせかえタイトル

詩って、いろんな種類があるし
読んでいて、分かるーと思うのもあれば、
まったく理解不能というのもある。
 
一口に説明はできないけれど、
ひとつ言えるのは
「ふつうの文章とは違う気がする」
ということ。
 
普段使いの文章と、詩の違いって、
なんだろう。
 
その答えをあえて、分からないままにして
以下のいくつかの文章を見てもらいたい。
 
「」はタイトル
その下につくのが、その文章。
 

 
まずは、これ。
「宛先不明の手紙」
二つ折の恋文が番地を探して
さまよっている。
 
という短い作文があったとする。
これはふつうの文章。
 
ふつうの文章ってなんだって思ったら、
たとえば、郵便局にいって、
局員さんに、
「二つ折の恋文が~」
とうっかり口を滑らせても、
「いや、つまり、宛先不明の手紙をね、
探しているんです」
と言えば、なんとなか通じる表現のこと。
 
でも、もしこれを詩のようにするなら、
こうなる。
 
「蝶々」
二つ折の恋文が番地を探して
さまよっている。
 
タイトルを変えると
詩という感じが出る。
 
(でも、局員さんに
「恋文が蝶々で~」と言っても
やばい奴以外のなんでもない。)
 

 
脳内には細い回路が巡らされている
というけれど、
詩をよむと、なにかの電気信号が
花火のような形でパッと回路を
通りぬけていくような印象がある。
 
理論的には成立していないようだけど
イメージは掴める。というような。
 
他にも例を挙げてみよう。
 
「祖母」
いつも怒っている老女
 
これは、ふつうの文。
タイトルと文に齟齬はない。
 
しかし、これを
 
「とうがらし」
いつも怒っている老女。
 
とすると、とうがらしが
そういうキャラクターに
思えてくる。
 
気が付かなかったけれど、
言われてみれば、分かるなー。
という意外性が、
詩にはあるのかもしれない。
 

 
続けていくつか並べてみよう。
まずは、ふつうの文章。
 
1.「ボディビルダー」
えいやっと、ところどころに力こぶ。
 
2.「クリスマスツリー」
あ、あそこに星のかたちを見つけた。
 
3.「コンビニ」
行き当たりばったりでみつけた。
 
4.「毛糸のセーター」
丸洗いしたら、こんなに小さかった。
 
5.「楽隊」
谷間から笛をならしてやってくる
 
6.「忍者の術」
敵に後ろ姿を見せながらにして勝つ方法
 
7.「ごきぶり」
でどころのはっきりしないもの
 
8.「配達指定便」
昼間は遠くまで届くが、夜は届かない
 

 
これのタイトルを代えると、
果たして、詩のように
イメージが広がるか。
試してみよう。
 
1.「いもむし」
えいやっと、ところどころに力こぶ。
 
2.「こもれび」
あ、あそこに星のかたちを見つけた。
 
3.「夏の水平線」
行き当たりばったりでみつけた。
 
4.「毛ムクの犬」
丸洗いしたら、こんなに小さかった。
 
5.「おなら」
谷間から笛をならしてやってくる
 
6.「かけっこ」
敵に後ろ姿を見せながらにして勝つ方法
 
7.「春の湧水」
でどころのはっきりしないもの
 
8.「視線」
昼間は遠くまで届くが、夜は届かない
 

 
参照は、
ルナール「博物誌」。
「シリーズ世界のなぞなぞ」より
「黒、白、赤のなぞなぞ」 。
句集「夜のぶらんこ」土肥あき子。
 
「きせかえタイトル」
という名前でこれも形にしたい。

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