ことばの実験室 更新2019/7/15

「移動手段」比較してみた

電車、バス、車、自転車、歩き、
それぞれの移動手段には、
それぞれの景色の感じ方がある。

比較してみよう。
あなたは、どれが一番好き?

【電車】…
車窓から見えるのは、
住宅、ビル、木々。

線路の高さにもよるけれど、
このあたりは、住宅が多めだなとか、
ビルが多いな、畑と木々が多いとかで
その地域の大体の様子が想像つく。
本でいうところの、
もくじみたいなもの。詳細は見えない。

地下鉄は言語道断。だって、窓には
自分の顔の反射しかみえないから。

【バス】…
バスは電車よりも、もっと町に
踏み込んでいて、おもしろい。
初めて乗るバスでは、
どこで曲がるかもわからず、
いったいどこに
連れて行かれるんだろう?
というワクワク感がある。

けれど、あ、あそこいい感じ、
という景色があっても無常に
通り過ぎる。

【車】…
人の運転で乗せてもらうなら、
気分的にはバスと変わらない。

自分の運転の時は、
徐行で細い路地裏を
迷子を楽しむ事もできるが、
そうでなければ、
なかなか景色は堪能できない。
道路から見える景色は、
遠く感じられて
基本的には面白みはない。

【自転車】…
車ほどの範囲はないけれど、
生活圏内から抜け出すには、
容易なのが自転車。

特にロードバイクなら、
もっと範囲が広がり楽しい。

一方通行、車両進入禁止、行き止まり
もなんのその。
雑木林の中の道だって、
土手のサイクリングロードだって、
景色を楽しむための道が、
自転車には用意されている。

自転車には、他の車両にはない、
特別なアビリティが使える。
技の名前は「たたずむ」である。
その場の匂い、風力、虫の音、
雑草の種類、空の色、建物の詳細、
これらが存在をあらわにする。

【歩き】…
言うまでもなく、行動範囲が、
急に狭くなる。
だけど、人の話声が聞こえる。
井戸端会議や、帰宅中の小学生など。

他人のスピード感を感じられる。
ゆっくりと接骨院の入口に向かい、
ドアを重そうに開ける
おばあちゃんの様子とか。

草の上を歩くテントウムシが見える。
体のまわりを流れる時間のスピードが
とろーんとする。

たとえば、バスを降りた瞬間とか、
自転車を止めた瞬間とかに
際立ってそれを感じる。

お分かりだと思うが、
歩きでも「たたずむ」という
アビリティは使える。

もっと言うと、
自転車に乗っていても、
押して歩けば、歩くモードに
切り替え可能だ。

というわけで、ぼくはもっぱら
自転車派。

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