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「ため息もゆげになる」

つい最近まで暖冬だと言われていたが、
その頃からすでに寒いと思っていた。
 
それなのにここ2,3日でグッと冷えてきた。
ちょっと風でも吹こうものなら、
たまらなくひりひりして、毛皮という毛皮を、
ダウンというダウンをいくら着込んでも
足りやしない、というくらいだ。
 
電車を待つ時間が長く感じる。
堪えがたい。景色全体がぴりりとしている。
 
外を出歩くなら、
宇宙服みたいな完全防具をつけて、目だけを
覗かせていたい。
もうバーチャルリアリティの世界と同じだ、
と思う。
 

 
10代後半の女子たちは案外着込んでいるが、
「さむっ」「ささささっ」
「やばさむ」「さ〜〜っ(震え)」
という声がどこからともなく聞こえてくる。
 
その様子は、どっかのテレビのニュースでも
取材していたけど、とてもよく分かる。
暖冬だなんて、知るか、寒いんだよ。
 
これを受けて、コメンテーターが
季節を問わず空調による「快適温」が若者のふつうに
なってしまったのだ、という。
ちょっとした寒さでさえ「異常事態」だと
思えてしまう。
それはつまり、季節を受け入れることが
できない感覚になってしまったのではないか。
ということをしゃべっていた。
 
若者っていつでも叱られるよなあ。
ただ普通にしているだけなのに。
いやしかし、いまや、ふつうにしている事自体が
人として脆弱なことなのかもしれないと思うと、
怖くもなる。
 

 
とにかく寒い。
肩をすくめながら、ああ、
こういう時は楽しいことを想像しよう、
と思う。
 
たっぷりのおふろとか。
熱いシャワー、蒸気、だしっぱなしのお湯、
風呂上がりのほんのりした汗、
はだしで柔らかい絨毯をわさわさ、
ふつふつ鍋で煮だしたミルクティ、ゆげ
猫のあご、腹の白い毛、
口もとにほくほくしたカップをもってくる。
 
昔どこかでみた広告かなにかのキャッチフレーズを
思い出す。
 
「ため息もゆげになる」
 
いいなあ。
 

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